柳島に住む前田会員のところでシジュウカラが卵を産み、それが孵(かえ)って、昨日(5月20日)巣立っていった。
大喜びの前田さんからそのように連絡があった。
前田さんは自分のブログをほとんど毎日投稿している。
そのブログに、巣箱づくりから始めて、子育て、巣立ちまでを掲載していたので、過程を追いながら、あらためてここにもアップしておこう。
太字の説明文は前田さん。
普通のフォント文字は編集子。
2月28日 巣箱づくり
今日は廃材を使って野鳥の巣箱づくりをする。
直径3㌢の穴なのでシジュウカラが巣を作るのを待つとしよう。屋根の部分は蝶番(ちょうつがい)で開け閉めができるようにしたかったのだが、古い蝶番は動かない。仕方なく紐で屋根を止めるようにした。これなら掃除も容易にできるというものだ。
3月2日
夜中の何時ころに雨が降っていたのだろう。
午前中、巣箱の補修をした。底板の部分に5か所穴を空けて水が溜まらないようにする。
4月3日 シジュウカラ、巣箱に入る
今、シジュウカラがしきりに鳴いている。
巣箱に入ったので縄張り宣言をしているのだろうか。番(つがい=ペア)のシジュウカラが巣箱を頻繁に出入りしている。うかつに外に出られない。驚かせてしまってはかわいそうだ。
巣作りしてから何日くらいで卵を産んだりヒナが巣立ったりするのだろうか。この後調べてみよう。
北海道大学大学院 環境科学院 生物圏科学専攻 動物生態学コース 小泉研究室のサイトに「カラ類の繁殖生態 ~シジュウカラの営巣から巣立ちまで~」というページがあり、産卵から抱卵(ほうらん)、孵化(うか)、巣立ちまでを紹介している。
それによると、
産卵は1日一個
10個ほど産卵
すべての卵を産み終わってメスが抱卵
2週間で孵化 メスは、裸のヒナを温める 雄が給餌
孵化後13日で羽根が生えて飛べるようになる
17日で完全に飛べる 巣立ち
とあった。
5月10日 ヒナが孵(かえ)る
シジュウカラが孵った。親鳥がひんぱんにエサを運んでいる。
巣箱のかけてある梅の樹の下でヒナの鳴き声を聞いたと、第一発見者の言。
私は、巣箱の出入り口の穴を飽かず眺めている。
もう一つ巣箱をかけてある。北側のポンプ場の敷地内である。道路からも見えるし、近所の子供たちも楽しみにしているので、叶えたいものだ。
これらの巣箱が成功すれば、巣箱づくりの輪を広げる活動でもしたくなるというものだ。
いやいや欲を出すのは止めよう。まずはヒナの巣立つのを待つとしよう。
抱卵は2週間としてこの日から逆算すると、卵を産み終わって抱卵を始めたのは4月26日だったということになる。
その卵がもしも10個だったとすると、1日に一個ずつの産卵だから、4月17日から生み始めたことになる。
5月11日・13日 子育て中
5月11日
親鳥がくわえているのは雛の糞。
先に紹介した小泉研究室のサイトには、親から餌を貰って飲み込んだ雛が、その親に向かってお尻を向け、糞をする。すると親はその糞をくわえて巣箱を出る動画がある。
巣箱の中を汚さない小鳥の習慣である。
5月13日
私は部屋から巣箱の穴を見ている。
雨が降っているが、親鳥は頻繁にエサを運んでいる。
何度もシャッターを押すが空振りばかりである。撮れたと思ったらピンボケだ。昨日は出入り口で静止したのに、今日は勢いよく飛び込んで、出る時も素早いのである。雨に濡れないように迷いなく動いているのかもしれない。昨日よりも巣箱の中のヒナの鳴き声も大きくなった。子育て真っ最中なのだ。
窓を開けているので寒くてしかたがない。もう少し眺めていよう。これから先にいい写真が撮れるかもしれない。
5月20日 ヒナの巣立ち
巣箱の中のヒナの鳴き声が大きくなった。
いつ頃巣立つのかなぁ~と思っていたら、それは突然やってきた。
親鳥が盛んに鳴く。ヒナが巣穴の丸い窓から顔を出す。幼い顔をして外をうかがっている。親の呼び声に呼応して次々と飛び出す。我が家がひっくりかえったような大騒ぎ。孫たちも隣の窓から声援を送る。何やら厳かな儀式でも眺めている心境になる。
良かった良かった。無事に巣立った。ず~~と気にかけていたので、ひと安心というか、脱力感に襲われている。
昨日の雨の中、部屋の中から巣箱を眺め続けた。何度もエサを運んでいる様子を確認した。親鳥のひたむきな行動に感動していたものだ。
次はいつ頃やってくるのかな?
5月21日 巣立ったあとの巣箱を点検
シジュウカラが巣立った巣箱を確認する。
ヒナが一羽死んでいた。嘴も羽もしっかりしている。巣立つ何日か前に死んだらしい。テッシュペーパーにくるんで畑に埋める。
フンは最後に残ったヒナの分だろうか。3個くらい落ちていた。次の巣作りのために取り除いた。
巣箱をよく見ると床一面に苔(こけ)が敷いてある。その下はスポンジのような白い繊維質のものが見える。ふわふわなカーペットのようだ。どこかで見たような気がする。車庫のブロックの穴に、金魚飼育の水を濾過するスポンジを詰めてあった。どうもその素材を使ったらしい。シジュウカラの理想の住まいだったのだろう。全て嘴(くちばし)一つで運んだのだから立派である。
ここ数日、外で作業をしているとシジュウカラに叱られていた。邪魔するなとばかりに鳴かれていた。これからは心おきなく外に出られるのは嬉しい。
巣立ったら、物置の裏の片づけをしようと思っていたので決行する。
シジュウカラの子育て中はスズメのエサ台にエサをやらなかった。子育てに集中してもらうためだ。これも復活する。
強風が吹いている。スィートピーが大きく揺れている。紐で支える。ユリも1㍍もの高さになってきたので支柱を立てる。
さて次は何をやろうか。
photo 前田会員
report 前田会員・編集子
「茅ヶ崎の野鳥たち」の中にもシジュウカラを掲載しています。
茅ヶ崎市の鳥に選ばれている鳥、シジュウカラはこちらから。
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このようにしっかりと取り上げていただき有難うございます。
ぶっつけ本番で書いていますので、他の書き方があったのではと反省しきりです。過ぎたことは戻りません。次の本番に備えます。
昨日の雨風、巣立ったシジュウカラ親子はどうしているかと心配していました。
前田さんのgooブログへの投稿があったから、それを元にして作ることができた「シジュウカラの巣立ち」です。
ブログは日記式に継続し、郷土会のサイトではまとめて投稿するという違いがありますので、両者を合わせる今回の手法で、また別のテーマに臨みましょう。
確かに21日は終日雨でしたので、シジュウカラ親子にはつらい一日だったことでしょう。
でもまあ、大丈夫だとおもいますよ。