茅ヶ崎の野鳥たち 北部の丘陵編 002 ホトトギス

初夏 ホトトギス しきりに鳴く  小出地区の堤で撮影

テッペンカケタカ キョッ キョッ キョッ キョ キョ
トッキョキョカキョク キョッ キョッ キョッ キョ キョ

5月になると小出地区の山林で聞こえます。
ホトトギスの鳴き声です。

「縄張りをしらせるため、夜中にも、まだ暗い早朝にも鳴きますが、姿を捉えるのは、なかなか難しい鳥です」とは、撮影者の言葉です。

Wikipediaに次のように書いてありました。
「インドから中国南部に越冬する個体群が5月頃になると中国北部、朝鮮半島、日本まで渡ってくる。日本では5月中旬ごろにくる。他の渡り鳥よりも渡来時期が遅いのは、托卵(たくらん)の習性のために対象とする鳥の繁殖が始まるのにあわせることと、食性が毛虫類を捕食するため、早春に渡来すると餌にありつけないためである。」

「托卵(たくらん)」つまり、他の鳥の巣に、知らんぷりしてそっと卵を産んで、そのまま育ててもらうことをたくらんでいるのです。
ホトトギスはウグイスの巣に托卵します。そこでウグイスが産卵するころやってくるのです。

托卵をたくらんでいる顔です

 万葉集1477番目の歌 大伴家持(おおとものやかもち)
卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴き響(とよ)もす
(卯の花がまだ咲いてないのに 佐保の山辺に今年もちゃんとやって来た来たホトトギスが 山の中に響き渡る声で鳴いているよ)

ヒメウツギの花

卯の花はウツギのことです。
ホトトギスがやってくる5月のころに花を付けます。
卯の花とホトトギスは季節を同じくしているので、相性がいいのか、万葉集には一緒に歌われた歌があるのだそうです。

万葉集1491番目の歌 大伴家持
雨降る日にホトトギスの鳴くを聞く歌
卯の花の 過ぎば惜しみか ほととぎす 雨間(あめま)も置かず こゆ鳴き渡る
(卯の花の散ってしまうのをおしんでか、雨の降っているのもかまわずに、鳴きながらホトトギスは飛びまわっているよ)

ホトトギスは卯の花を、気の合う相棒と思っているのでしょう。
その花が散ってしまうと自分一人になってしまうので、まだ咲いている内にいっしょけんめいに鳴いておこうと、降りしきる雨の中でも鳴いている というような歌です。
「雨間」は「雨の降り止んだとき」がホントの意味ですが、ここでは「雨がふっていても」のつもりで家持さんは歌ったようです。

ホトトギスの写真 野の鳥探し隊 朝戸夕子
report 芹沢七十郎

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