ナノカビは漢字を当てると「七日日」
南湖中町 八雲神社の浜降祭準備
7月になると茅ヶ崎では各所で浜降祭の準備が始まります。
今は海の日に行っていますが、江戸時代末期は、浜之郷村にある佐塚明神社(さづかみょうじんしゃ)の例祭として、「六月二十九日午時〈うまの時、現在の正午ころ〉浜下りとして茅ヶ崎村海浜まで出輿す」(『新編相模国風土記稿』浜之郷村)と書かれており、太陰太陽暦の6月29日が祭日でした。 浜降祭祭日の7日前の日を南湖ではナノカビ(7日日)といい、この日に祭りのためのしつらえを行います。今年は、7日の日曜日をナノカビに当てて、雨の中で行いました。
『南湖郷土誌』(平成7年茅ヶ崎市教育委員会発行)の138ページに、この蛇の形のしめ縄について、次のように書かれています。
蛇(じゃ)飾り
茶屋町を除く四チョウナイは、それぞれ神社の入口にモン(門)を青竹で作る。神輿はこの門をくぐって出て、帰りにはくぐって境内に入る。
門の上部の横竹に稲わらで蛇(龍という人もある)を這わせる。昔は麦わらを使った。
頭は海の方に向ける。ナスを目にし、赤く染めたハランを舌にした。
ナノカビは蛇飾りを立てたり、神輿道にしめ縄を張るほかに、南湖通りに横断幕を張ったり、神社境内を掃除したりして忙しい。
これらの仕事には氏子総代、自治会の組長、神輿保存会などとチョウガシラという組織が当たります。南湖中町にはチョウガシラの組織が10組あって、一組ずつ順に一年間の祭礼などを担当します。
また『南湖郷土誌』には、この日、神輿殿を開けて神輿を掃除して、この日から毎晩神輿を拝めるようにし、参道の両側に毎晩お灯明を灯したとも書いてあります。(126ページ)
この日、八雲神社の参道の近くには、軒燈を下げたお宅もありました。
photo 尾高会員
report 尾高・平野会員
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