茅ヶ崎の野鳥たち 北部の丘陵編 003 アマサギ

水田の乙女たち

5月31日、芹沢の田んぼにアマサギが十数羽飛んできました。
頭が亜麻色のかわいらしいサギです。
寒い時期には南の暖かい地方にいて、日本には夏鳥として初夏のころに来るのだそうです。
ちょうど水田の作業が始まるころなので、田んぼで見かけます。
全身真っ白の羽根だったのが、夏には頭や首が茶色がかったオレンジに変わります。この色を亜麻色と見て、アマサギと名づけられました。

漢字では「亜麻鷺」です。色見本で、亜麻色はどんな色かな と調べると、手紙を出すときに使う封筒に似た色が出て来ます。オレンジではありません。
「亜麻色」は植物の「亜麻」から来ています。高級麻地のリネンの材料です。まだ仕上げられていない原材料としての麻糸の色が茶封筒の色なのかも知れません。見たことはないのですが。
それが亜麻色というと、金髪とかオレンジとかも意味するのだそうです。どうしてなんでしょうネ。すてきな色と解釈されている方の亜麻色で名付けて貰って、アマサギたちは喜んでいます。

食性は動物食で、主に昆虫、クモを食べるが、魚類、両生類、小型爬虫類、甲殻類なども食べると紹介してありました。(Wikipedia)
水田は、格好のえさ場なのでしょう。

サギの仲間ですが、小型なのでやさしい感じの親しみやすい野鳥です。
寒くなると暖かい国に帰っていきます。

photo 野の鳥探し隊 朝戸夕子
report 芹澤七十郎

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茅ヶ崎の野鳥たち 北部の丘陵編 002 ホトトギス

初夏 ホトトギス しきりに鳴く  小出地区の堤で撮影

テッペンカケタカ キョッ キョッ キョッ キョ キョ
トッキョキョカキョク キョッ キョッ キョッ キョ キョ

5月になると小出地区の山林で聞こえます。
ホトトギスの鳴き声です。

「縄張りをしらせるため、夜中にも、まだ暗い早朝にも鳴きますが、姿を捉えるのは、なかなか難しい鳥です」とは、撮影者の言葉です。

Wikipediaに次のように書いてありました。
「インドから中国南部に越冬する個体群が5月頃になると中国北部、朝鮮半島、日本まで渡ってくる。日本では5月中旬ごろにくる。他の渡り鳥よりも渡来時期が遅いのは、托卵(たくらん)の習性のために対象とする鳥の繁殖が始まるのにあわせることと、食性が毛虫類を捕食するため、早春に渡来すると餌にありつけないためである。」

「托卵(たくらん)」つまり、他の鳥の巣に、知らんぷりしてそっと卵を産んで、そのまま育ててもらうことをたくらんでいるのです。
ホトトギスはウグイスの巣に托卵します。そこでウグイスが産卵するころやってくるのです。

托卵をたくらんでいる顔です

 万葉集1477番目の歌 大伴家持(おおとものやかもち)
卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴き響(とよ)もす
(卯の花がまだ咲いてないのに 佐保の山辺に今年もちゃんとやって来た来たホトトギスが 山の中に響き渡る声で鳴いているよ)

ヒメウツギの花

卯の花はウツギのことです。
ホトトギスがやってくる5月のころに花を付けます。
卯の花とホトトギスは季節を同じくしているので、相性がいいのか、万葉集には一緒に歌われた歌があるのだそうです。

万葉集1491番目の歌 大伴家持
雨降る日にホトトギスの鳴くを聞く歌
卯の花の 過ぎば惜しみか ほととぎす 雨間(あめま)も置かず こゆ鳴き渡る
(卯の花の散ってしまうのをおしんでか、雨の降っているのもかまわずに、鳴きながらホトトギスは飛びまわっているよ)

ホトトギスは卯の花を、気の合う相棒と思っているのでしょう。
その花が散ってしまうと自分一人になってしまうので、まだ咲いている内にいっしょけんめいに鳴いておこうと、降りしきる雨の中でも鳴いている というような歌です。
「雨間」は「雨の降り止んだとき」がホントの意味ですが、ここでは「雨がふっていても」のつもりで家持さんは歌ったようです。

ホトトギスの写真 野の鳥探し隊 朝戸夕子
report 芹沢七十郎

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茅ヶ崎の野鳥たち 北部の丘陵編 001 サンコウチョウ 

2923年、しきりに鳴き声が聞こえます

6月26日~28日
オス、メスの姿を撮影しました。

マナーを守らない撮影者がいるようです。
縄張りを作って暮らす生き物にとって、安心して暮らせないのは致命的です。
マナー違反は止めてもらいです。

オス メスそろっているので、繁殖してくれるとうれしいのです。(撮影者 朝戸夕子)

むらさき色の体色と長い尾羽が特徴の オスのサンコウチョウ。
子育てが終わると、オスは この長い尾羽を落とします。
メス 全体に 赤み掛かった茶色です。
メス 横から見ると、赤茶が、わかりやすいです。

6月。今年も鳴いています。
ただ、暗い林の中なので姿を見るのはむずかしいです。
その後ろ姿を撮影することができました。(撮影者 朝戸夕子)

2021年、芹沢でサンコウチョウの鳴き声

2021年05月31日、午前10時30分の前後30分間ほど、自宅で ツキ ヒ ホシ ホイ ホイ ホイ を何回も聞きました。この 聞きなし 知っている人は知っているけど、知らない人は知らない。
サンコウチョウの鳴き声です。

暗い森の中を飛んでいるので撮影するのは難しいです。
写真のサンコウチョウは尾羽が短いですがオスでしょう。子育てが終わると長い尾羽を落とすのだそうです。
北部丘陵などで野鳥の観察を続けている朝戸夕子さんが撮影した写真です。
良く撮れたものだと感心します。
サンコウチョウはペアでテリトリーを回っているようです。

筆者の自宅は芹沢の鎮守、腰掛神社の隣。
腰掛神社はスギやケヤキやシイその他の樹林に囲まれています。
2月、3月になると、夜間にフクロウがしきりに啼くようなところです。

ネットで調べると、各地で記録されたサンコウチョウの姿や鳴き声がたくさんヒットします。
オスの尾羽はとても長いですが大きな鳥ではありません。頭と背が黒っぽく、目の周りを白いリングが囲んでいて、くちばしは頭の大きさの割には大きく、胸から腹は白いろ。
ヤキトリにしてもまずそうです。(ゴメン 捕まえてはいけないことは知っております。)

サントリーの「日本の鳥百科」というサイトに
「ツキ(月)ヒ(日)ホシ(星)ホイホイホイ」と聞くことができるところから、三つの光、三光鳥の名がつきました」
とあります。

Wikipediaには
日本、台湾、フィリッピンなどに居て、日本には、夏渡来し繁殖する
とありますので、案外各地で見たり聞いたりできる野鳥かも知れません。
私などが、たまたまその声を聞いたからと言って自慢するほどのことはないのかもしれません。
しかし、鳴き声は特徴があります。一度聞いたら忘れないほどです。

フイッ フイッ フイッ ホイ ホイ ホイ
あるいは
ホイ ホイ ホイ ホイ ホイと5回連続することもありました。


その鳥の声を聞いたよ! という自慢話です。(やっぱり自慢したかったんだ。)


あしたも啼いてくれるかな。(芹澤七十郎)

2023年6月~8月に撮影したサンコウチョウの子育て記録はこちらをクリック

photo 野の鳥探し隊 朝戸夕子
report 芹澤七十郎


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