茅ヶ崎の野鳥たち 南部の海辺編 (21)オナガガモ

茅ヶ崎の南西部(主に柳島の海岸)で見かけた鳥鳥たちを紹介します。 生態の説明文の一部は『ぱっと見分け観察を楽しむ 野鳥図鑑』(ナツメ社刊)から引用しました。    【杉山 全】

オスの尾羽が細長いのが名前の由来。
珍しく小出川に飛来した。

向かって左が♀、右が♂

 日本の鳥百科  サントリー(https://www.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/
に、♂・♀の色の違いがうまく説明してあった。次のとおり。
「オスの頭はチョコレート色、白い胸から首の側面に白線が食い込んでいます。体は灰色で、細かい黒色模様があります。
オスでは尾羽の中央羽2枚が長く、Pintailの英名はこの尾から名付けられています。メスは全体に褐色で黒褐色の斑紋があります。他種のカモ類のメスより白っぽく見えますし、尾も長めです。
脚は黒灰色、くちばしも黒灰色で、オスは側面が青灰色。」

♂が5羽、♀が3羽

また、次のように面白いことが書いてあった。

「日本では冬鳥で、本州以南は冬期に見られ、北海道では春秋の渡り時期に通過します。

 繁殖地は広々とした極地に近いツンドラ地帯のため、越冬地の開けた広い場所を選んでいます。
繁殖地では人と接する機会がほとんどないため、越冬地で人がいじめなかったり、餌を与えるなどすると人を怖がらずに近寄ってきます。マガモなど繁殖地でも人と接する機会の多いカモは、越冬地へ来ても人を避ける傾向がみられ、人とカモの長い付き合いの結果だと思われます。 」

photo&report 杉山会員
撮影場所 小出川の下流


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茅ヶ崎の野鳥たち 南部の海辺編 (20)オナガ

画像を追加しました。2019年9月11日撮影。柳島海岸の雑木林の中。
かつてはどこでもよく見かけましたが、最近はとんと見ません。
茅ヶ崎北部の小出地区に住まいの芹沢七十郎会員も同じように言っていました。

茅ヶ崎の南西部(主に柳島の海岸)で見かけた野鳥たちを紹介します。 生態の説明文の一部は『ぱっと見分け観察を楽しむ 野鳥図鑑』(ナツメ社刊)から引用しました。    【杉山 全】

額から後頭部にかけてベレー帽をかぶったように黒く,喉は白い。
翼は淡い青色で、背と体下面は灰色だが、脇から下腹は色が淡い。
長い尾羽は淡い青色で先端白く,嘴と足は黒い。繁殖期は主に昆虫類を捕食し、非繁殖期は植物の実を求めて群れで移動する。

茅ヶ崎では、海のそばでも、市街地でも、小出地区の丘陵地でも普通に見ることができる。
名前の元になった長い尾羽が特徴で、姿はスマートだが鳴き声はうるさい。
Wikipediaによると、
「日本では分布を狭めており、1970年代までは本州全土および九州の一部で観察されたが、1980年代以降西日本で繁殖は確認されておらず、留鳥として姿を見ることはなくなった。現在は本州の福井県以東、神奈川県以北で観察されるのみとなっている。わずか10年足らずで西日本の個体群が姿を消した原因はまったくわかっていない。」
そうである。

北部丘陵の野鳥を中心に、に掲載のオナガはこちらから

photo&report 杉山 全会員
撮影場所 柳島海岸


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チガヤとツバナと万葉集 2019.05.13

散歩していると、道ばたやちょっとした空き地にチガヤの白い穂が目に付く季節になりました。

この写真は柳島の海岸のチガヤの群落です。このように一面チガヤの光景は、海岸よりほかのところでは見ることができないようです。

子どもの頃、もう60年も昔ですが、この白い穂がさやの中に包まれているのを剥き出して口に入れ、クチャクチャと噛んだ思い出があります。
私は九州生まれの九州育ちですが「ツバナ」と呼んでいました。

万葉集にツバナを歌った歌があることを知りました。


1449 茅花(つばな)抜く 浅茅が原(あさじがはら)の つほすみれ 今盛りなり 我(あ)が恋(こ)ふらくは
(訳)盛りに咲いているツバナやスミレのように、私の、おまえに対する恋心は今、絶頂にあります。

1460 戯奴(わけ)がため 我が手もすまに 春の野に 抜ける茅花(つばな)そ 召(め)して肥えませ
(訳)おまえのために、手も休めずに野あるツバナを抜いたのだよ。これを食べて少しは太りなさい。(女性から男性へ)

1462 我(あ)が君に 戯奴(わけ)は恋(こ)ふらし 賜(たば)りたる 茅花(つばな)を食(は)めど いや痩(や)せに痩す
(訳)あなた様に私は恋しているようです。頂いたツバナを食べてみましたが、痩せるばかりです。(上の歌の返し) 

万葉人はチガヤをツバナと呼んで、その穂を抜いて食べていたようです。子どものころの私と同じように。

「茅ヶ崎」の語源は、
茅(チガヤ)の生える砂浜が海に延びて岬(みさき)のような地形をしていたことから名付いた
と、見てきたようなことを書いたものがあったら、それはトンデモ間違いです。
チガサキの「チ」に「茅」という文字を当てただけの話で、チガヤが生えていたから「茅」という字を使ったのではありません。
「そこにはチガヤが生えていた」という解説は、「茅」という漢字に引きずられて出てきたものです。
「じゃぁ、茅ヶ崎の語源は何なんだょ」と聞かれても実は分からないのですが。

●「つばな」の歌三首は、新編日本古典文学全集7『万葉集2』(小学館1995年4月刊)から取りました。(訳)は同書にある現代語訳を参考にして、私が勝手に付けたものです。お粗末失礼!

photo 前田照勝会員
report 芹澤七十郎

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郷土ちがさき 145号(2019年5月1日発行)

内容

    • 表紙
      画像 茅ヶ崎の海 春の海ひねもすのたりのたりかな
      はじめに 「しぶとく、飽きずに、ねばり強く」 (平野文明)
    • 柳島に今も継続するチョウガシラのこと (杉山 全)
    • 特集 私のふるさと
      学び舎と私 (尾高忠昭)
      私の故郷は平塚です (久保田洋治)
      紀州 田辺 (山本俊雄)
    • 史跡・文化財めぐり「市内の別荘跡を歩く」
      第291回ー市立図書館から桜道周辺へー (源 邦章)
      第292回ー一中通りを東海岸南へー (源 邦章)
    • 書誌紹介
      小川直之編『日本の食文化1』―食事と作法―(吉川弘文館2018年刊行) (松隈雄大)
    • 風(自由投稿欄)
      間違いメール (前田照勝)
      歌九首 (今井文夫)
    • 茅ヶ崎郷土会 活動報告など
      国指定記念シンポジウム「下寺尾西方遺跡を考える」に参加して (羽切信夫)
      茅ヶ崎郷土会とホームページ (平野文明)
      「郷土ちがさき」144号正誤表
      編集後記

(画像をクリックすると、PDFファイルが開きます)

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線路わきのハマヒルガオ(共恵1丁目) 2019.05.07(火)晴天

令和元年5月7日撮影

茅ヶ崎駅の平塚寄りに、東海道本線をまたぎ、南北を結ぶツインウェイヴがあります。
その橋梁下部に自転車置き場(ツインウェイヴ南自転車駐車場 共恵1丁目)があります。
駐輪場から線路に沿って平塚側に進みますと、線路と茅ヶ崎小学校の間は、元は水路で、幅3尺(約1㍍)ほどの路地になっています。水路跡という事で簡易舗装もされていませんが、車と接触することもないので、駅までの抜け道として便利に使われています。
この線路わきにハマヒルガオが花を咲かせました。今、まとまって花をつけていて、とてもきれいです。



向こうに見えるのがツインウェイヴです。車が通ります。人は線路の下にある通路を通るようになっています。
この橋が出来る前は「大踏切」と呼ばれていた踏切があり、よく待たされたものです。
ツインウェイヴすぐ先に茅ヶ崎駅があります。
左の写真の逆方向です。
線路の先は、相模川を渡って平塚市に続きます。
写真を撮っていたら、下り電車が来ました。

金網の隙間からシャッターを押していましたところ、下り電車が通り過ぎて行きました。
運転士さんたちにはどのように映っているのでしょうか。

photo&report  尾髙忠昭会員

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