こんにちは!花たち と コロナ雑記 ―ツリバナ・ガマズミ―

2020年5月12日(火)晴 
ラジオの天気予報で言っておりました。昨日ほどではないが、暑くなりますと。
日中、日向に出ると確かに暑かったですが、しのぎやすかったです。
初夏を彩る花たちが開き始めました。
今日、紹介するのは低木のツリバナ(吊花)とガマズミ。両方とも山野に自生しています。すごく地味な植物ですが、姿が良くて、ひっそりとした花を咲かせています。

ツリバナ

名前どおりに、吊り花
秋になると硬い実は赤く色づきます
もちろん食べられません

コロナ雑記
『感染拡大を招かないために「3密」を避ける』ことが強く求められていて、多くの人が自宅に籠もっている。もちろん私もである。
『「新型コロナウイルスに感染してはいけない、また他人にうつしてしまうようなことは絶対やってはいけない」という道徳的な思考が、「正しさ」として社会を覆っている。』と、とらえた人がいる。
この時期、当然と思えるこの現象に対して、こともあろうに警鐘を鳴らしているという医療人類学者の磯野真穂へのインタビュー記事が、2020年5月8日(金) 朝日新聞朝刊に、『新型コロナ 社会を覆う「正しさ」』と題して載っていた。(聞き手 髙久潤)
いつものように、私(石野)の考えも交えながら紹介します。

磯野氏はなぜ警鐘を鳴らすのか?
それは、上記の3密忌避の考え方が、だれもが守るべき「正しいこと」として社会を覆うとき、同時にマイナスの側面も頭をもたげるからだとする。
マイナスの側面とは何か?
①排除。3密忌避を「正しいこと」と考えない人を社会は排除する。
②差別。排除される人と、3密忌避をしない人・それなりの理由があってできない人を社会は差別し、中傷し、パッシングする。①②では、『社会の「周辺」にいる人』に対して特に強い力が働く。
③個人の思考をマヒさせる。3密忌避の『新しい生活様式』の指導が国家からなされ、市民はそのような指示を進んで求める。
そして、「いまその結果として社会で起きていることは『古典的』といってもいいくらい」と磯野氏は述べる。過去にも同じような現象が起きていたというのである。

関東大震災の直後や太平洋戦争中の市民生活を思い起こせば、確かにそうだったと思いつくのは私ばかりではないだろう。
このインタビュー記事に、「それならば、今後、私たちはどうすればいいのか?」という問いに対する論及はなかったが、私の心にはズシリとしたものが残りました。

5月11日(月)の同紙夕刊の四コママンガ「地球防衛家のヒトビト」(しりあがり寿)は、このインタビュー記事につながるところがあった。

「自粛期間なのに営業している店があるとタレコミです」と部下。
ボスが、「よし!出動だ!」と叫んで三コマ目に大きなタイトル。
「ジャーン 自粛警察 第一話 その店をしめろ!!」
昔の人気テレビ警察モノのノリです。
「ヒトビト」マンガはほんとにいつも面白い。

ガマズミ

ガマズミの花
この花が、秋になると真っ赤に熟して食べらるっとですョ
「うまか~」というほどじゃナカバッッテン

ガマズミの実はこちら

photo & report 石野治蔵

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こんにちは!花たち スイカズラ

2020年5月10日(日) 曇(ときどき陽が射す)
天気予報は夜になると雨だといっていました。午後、強風です。何となく蒸し暑いです。

茅ヶ崎市芹沢から、近所や庭に咲く花たちを紹介します。

散歩コースの道ばたに、スイカズラが咲き始めました。
甘い香りを振りまいていました。
開いたときは白く、やがて黄色に変わります。そこで別名を金銀花(きんぎんか)というとWikipediaに出ていました。

新型コロナ騒ぎから +(プラス)指向を
ウイルスは撲滅することはできない。
撲滅どころか、ウイルスは生命の進化にかかわっている存在でもある。とても人間が立ち向かえる相手ではない。ヒトよりも先にこの世に現れていたというではないか。
しかし、ウイルスがパンデミックを引き起こし、いろんな生命を冒し、ヒトなどがつぎつぎに倒れるという状況になったときは我々は手を打たなければならない。
パンデミックが起こる背景にはグローバリゼーションがある。今回の新型コロナウイルスもこの波にのって世界中に広がった。
それならばパンデミックを収めるにもグローバリゼーションを背景とした取り組みが効果的ではないだろうか。世界中が一つになって解決策を講ずるのである。

そのようなことを述べた新聞の記事を読みました。
2020年5月8日(金)朝日新聞朝刊に掲載された「『世界の一員』アイデンティティー作る好機「―ジャレド・ダイアモンドさんに聞く― (聞き手 太田啓之)であります。文章に手を加えながら紹介します。


「新型コロナも現代文明に変化をもたらしますか?」という聞き手の質問に、ダイアモンド博士は次のように答えています。
「このパンデミックは、私たちに『世界レベルのアイデンティティー』をもたらす可能性があります。私たちには『米国人』『日本人』といった国レベルのアイデンティティーはあっても、『この世界の一員』というアイデンティティーはありません。世界中の人々がその存在を認識し、かつ脅威となるような危機が存在しなかったからです」
「新型コロナが全世界への脅威だと認識し、このパンデミックを通じて世界レベルのアイデンティティーを作り上げることができれば、この悲劇から、望ましい結果を引き出せます。気候変動や資源の枯渇、格差、核兵器の問題の解決に向けて協力することも可能になるでしょう。」

ヤブの中に生えているので、花を付けないと目立ちません
花のアップ

子供の頃に、この花を摘み取って、その付け根を吸うと、甘い何かが口の中に広がりました。
私にとっては懐かしい植物です。
庭に植えると広がりすぎて困るとも聞きましたが、枝先を少しばかり折り取ってきて、用土に挿してみました。うまく根を出してくれますかどうか。

photo & report 石野治蔵

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こんにちは!花たち ノイバラ(野バラ)

2020年5月9日(土) 晴ときどき曇り
風薫る5月 若葉がきれいです。
この美しさを 短いことば に表すことができたら いいなと思うのですが、そのような趣味を持ち合わせていないことがくやまれます。
子供のときにもっとしっかり勉強しとけば良かった。
小学生! 中学生! 高等学校生! 大学校生! コロナで今は休校中だが、勉強はしておけよ! (よけいなお世話 か)

茅ヶ崎市芹沢から、近所や庭に咲く花たちを紹介します。

ノイバラの花

  皆 マスク
   こころも見えず 春はゆく


NHKラジオで0時15分から放送される、今日の「ひるのいこい」に誰かが投稿した句です。
シミジミとした句、ではありませんが、今の毎日をよく表していると思うのです。

  まだ居るか
   コロナの奴メ 早く去れ
駄作ですねェー 作者の顔が見てみたい

ノイバラの全景

以前から隣地との境の、ちょっとした斜面に生えていました。
隣地には大木が林立していて、その陰で今まで花を付けませんでした。
最近大木が切られて、びっくりしたのか急に花を咲かせました。
しめた! と思いましたね。私は。
秋になると、赤い実を付けるかもしれないではないですか。

その頃はコロナもいなくなっているかもしれません。
いや、まだいるかもしれません。
それを見越した人たちが「今後はコロナと上手に付き合うのだ」といっていますから。

photo & report  石野治蔵

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こんにちは!花たち ミヤコワスレ・ミニトマト初なり・アサガオ発芽

2020年5月7日(木)晴 
昨日は上空を寒気が通過したそうで、夕方から雷雨でした。
今日は五月晴れのいい天気。しかし風が強いです。
満月。太陽が沈むと東の空に月があがると、天気予報の伊藤さんがいっていました。
我が家に地続きの雑木林の大木が切られて、空が大きくなりました。月がみえるかな。

ミヤコワスレがいっせいに咲いています
しかし、もう終盤です

大澤真幸さんの「コロナウィルスがここまで広がったのは『グローバル資本主義』という社会システムが抱える負の側面、リスクが顕在化したから」という見解を紹介しました。〈5月6日「こんにちは!花たち シラン(紫蘭)」の中で

では、グローバル資本主義は、このコロナ混乱でどのような影響を受けるのか?

2020年5月5日(火)の朝日新聞朝刊に次のような記事がありました。元の文章を切り詰めながら紹介します。

グローバリズム さらに失速
(ドイツの社会学者ヴォルフガング・シュトレーク氏に聞く。聞き手・江渕崇)

①リーマンショック後、今も大不況に匹敵する不況が世界を覆っている
・債務は爆発的に増え、中央銀行は資産を急激に膨らませ、ゼロ金利に依って資産価格は高騰。
・格差は広がり続け、米国では大多数の家計がその日暮らし。
 ウイルス危機は、元から抱えてきた矛盾をさらに深刻にしている。

②各国はモノやヒトの動きを国境で止めようとしている
→ 様々な形をとった保護主義が、世界でさらに高まっていくだろう。
世界の貿易はリーマンショック(08年)以来伸び悩んでおり、グローバリズムは勢いを失う。世界経済はブロック化が進む。

③巨額の財政支出と金融緩和に頼らざるを得ない
→ これがどれだけ持続可能なのか、どのような終わりを迎えるのは誰も知り得ない。

④大恐慌後(1930年代)後、米国はニューディール政策で資本主義を立て直した
→ 1930年代と今が決定的に違うのはジョン・メイナード・ケインズ(恐慌克服の理論的支柱)がいないということだ。

⑤世界での米国の地位はどう変わるか
→ 唯一の超大国として振る舞うことはできなくなる。ドルが持ってきた特権を失う。その結果、(米国は)金融危機やウイルス危機を超える国内的な危機につながるだろう。

私(石野)は思うのです。
グローバリゼーションが逆ブレすると、過激な排他的ナショナリズムが出現する。現に、今、世界ではその兆候が見えています。
するどいカミソリの刃の上を歩いているような感じです。

ミニトマトの苗を植えました
すぐに黄色い花が咲いて、もうトマトの赤ちゃんが付いています
アサガオの種をまきました
去年の種です
どんな花を付けるか楽しみです

真っ暗な中を、ヒヤヒヤしながら歩いています。

しかし
盛りと咲いた花たちが終わりを迎え、また新しい植物が芽を出してくる。
どんなトマトがなるのかナ~ どんな色のアサガオが咲くのかナ~

photo & report 石野治蔵

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こんにちは!花たち シラン(紫蘭)

2020年05月06日(水)曇
真夏日があったり肌寒かったり。それに強風の日もあって、天候が落ち着きません。
たった今しがた、雨が降り出して雷まで鳴りました。
草木の新芽はぐんぐん伸びて、みどりが鮮やかです。
春の花たちが一段落し、これからは初夏をいろどる花々の季節。

茅ヶ崎市芹沢から、近所や庭に咲く花たちを紹介します。

あわせて、コロナさわぎについて、思い浮かんだことを少しずつ。

シラン
どこにでも見るありふれた花
我が家では一昨日あたりから開き始めました
ありふれた花は見過ごすことが多いですが、写真にして眺めるとなかなかです

朝日新聞 2020年4月8日(水)に、コロナ騒ぎに関する、大澤真幸さんへのインタビュー記事が載っていました。題して 新型コロナ 国家を超えた連帯の好機

新型コロナウィルスが急速に世界中に広まったのは「今、私たちがグローバル化の中にいるから」ということは、私(石野)にも分かります。
新型コロナウィルスの蔓延は、このグローバル化が進む中で避けては通れない根源的な問題点として、大澤真幸(おおさわまさち)さんが次のようにインタビューにこたえているのです。
(大澤さんとは話したことも会ったこともないですが、朝日新聞の読書欄に世界の古典を分かりやすく解説されていて、私は毎回楽しみに読んでいます。また、2019年3月に講談社現代新書で『社会学史』という本を出されて、これも大変面白く、また勉強になりました。)

大澤さんは
コロナウィルスがここまで広がったのは『グローバル資本主義』という社会システムが抱える負の側面、リスクが顕在化したから」と述べています。

現代の日本で感染拡大を抑えられても、世界中に感染が広がっている限り、封鎖による経済的打撃から逃れる方法はなく…」とあり、グローバル化と国家の関係に話は展開します。
感染症に限らず、気候変動など、人類の持続可能性を左右する現代の大問題(例えば二酸化炭素の排出抑制や今回の新型コロナウイルス対応など)は『国民国家のレベルでは解決できず、国家のエゴイズムが問題を深刻化させてしまう』という共通点があります。」
社会システム自体がグローバル化し、解決には地球レベルでの連帯が必要なのに、政策の決定権は相変わらず国民国家が握っている。」

グローバル化の中で生じた問題を、国家がさらに混乱させている例として次の2点を指摘しています。
二酸化炭素の排出を抑制する国際協力が不可欠ですが、米国が国際協定から離脱する、新型コロナウイルスに関する中国の情報隠蔽も同様」

そういう中で、新型コロナウィルスにどう立ち向かうべきか、に関して
WHOよりもはるかに強い感染対策をとれる国際機関を設立することが必要です。新型感染症対策では、その機関による調査・判断・決定が、各国政府の力を上回る力を持つ。各国の医療資源を一元的に管理し、感染拡大が深刻な地域に集中的に投入する。人類が持つ感染症への対抗力を結集し、最も効率的に使えるようにするのです。」と述べています。

このような施策を
新型コロナウイルス問題がそうした膠着状態を変える可能性があります」と述べます。
問題の最中にいるからこそ、その問題を解決する努力も生じるという立場です。
人間は『まだなんとかなる』と思っているうちは、従来の行動パターンを破れない。破局へのリアリティーが高まり、絶望的と思える時にこそ、思い切った事ができる。この苦境を好機に変えなくては、と強く思います。」と、インタビューを結んでいます。

グローバル化は、「人間は皆、きょうだい」という理念に基づいて進んでいるとも言えましょうが、現実に、そしてより強力に、経済のグローバル化を推し進めているパワーは、人間の限りを知らない欲望であると、私(石野)などは受け取っています。
地球上に人間がいる限りグローバル化は進むことでしょう。
グローバル化が進む限り、新型コロナウィルス蔓延のような混乱は今後も起こることでしょう。

次の「こんにちは!花たち」にも、コロナ騒ぎを契機に掲載された別のグローバリゼーション記事を紹介します。

photo & report 石野治蔵

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